2017年12月6日水曜日

アカムツ(ノドグロ)の旬を脂肪量から明らかにする

どうもです.
最近,中深海ネタが多いので,アカムツ(ノドグロ)脂のりについて興味深い研究結果があったので,ご紹介します.

魚って「旬」があるものですよね.


「旬」というのは,いっぱい取れるから旬ということもありますし,美味しい時期だから旬ということもあり,なかなか一意に定義が定まっていないようにも思います.

では,アカムツの旬は?といわれると,どうでしょうか?
基本的に,釣り特にジギングでたくさん取れるのは夏の産卵前の時期だと思います.
なので,ジギングにおいては旬と言えるかもしれません.

では,脂ノリはどうでしょうか?

こんな研究結果があります.

島根県周辺海域で漁獲されたアカムツ総脂質含有量の季節変動と個体差

http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/suisan/shinkou/suigi/publish/kenkyuhou/014/index.data/01_03.pdf

島根の水産試験場が,アカムツの脂肪量を毎月測って調査したものです.

詳細は論文を読んでもらうとして,結論を簡単にまとめると

1.漁獲月によって脂ノリに差は殆ど無い
2.大きい個体ほど脂ノリがよい傾向にある
3.とはいえ,個体間格差も激しい
4.島根県以外,九州産のアカムツは脂肪含有量が少ない
5.身の白さと脂ノリは関係ない

と,こんなことがまとめられています.
つまり,アカムツの場合は脂が乗っているかどうかは季節ではなく,固体間の格差だということです.また,釣り物ではお腹が黒っぽいのは脂が乗って美味いなどといいますが,そういう外見的な要因でも脂ノリはわからないと論文では結論付けられています.

※近赤外分光などで脂肪量を非破壊で測定する技術があるようです.

で,ワタシ的に気になるのは4です.
九州産の釣りモノや延縄で漁獲されたアカムツの結果も比較対象として載っているのですが,他に比べてかなり脂肪含有量が少ないという結果になっています.

九州といえど,各地広いので,そういう場所もあるのかもしれません.

鹿児島のアカムツに関して言えば,脂ギトギトみたいなアカムツは少ないように思いますが,居るには居ます.多くは比較的あっさりした脂ノリでたくさん食べられる感じがします.

脂ノリだけが全てではないと思いますが,東京で食べたアカムツはめちゃくちゃ脂ノッてました.島根で食ったやつより全然上でしたね.
このあたりも固体間の格差なんだと思います.

一応,脂がノッたやつを食いたければ,できるだけ大きい個体をチョイスしたほうが,脂ノッてる確率が高いって感じでしょうか.

ということで,アカムツの脂がノル「旬」というのは特に無く,固体間の格差,地域差が大きいということで,何匹かだけ食べただけでアカムツの真価を測るのは時期尚早かと思います.

でわ.




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