2017年11月24日金曜日

最優の遊漁船を選ぶために〜自分が船長になったつもりで考えてみる〜

最優の遊漁船.


なかなかに小難しいテーマとなりそうな気がします.

ジギングは近場の半日なら5000円,1日遊ぶなら,ちょっと遠出して10000円,離島遠征などで15000円〜20000円,もっと遠くへ遠征するなら30000〜40000円,あるいはそれ以上.と,とにかくお金のかかる趣味だと思います.

金払ってんだから釣らせろよ!


なんていうお客さんもいらっしゃるのもまぁうなずけるぐらいの金額かなと.
でも私は魚が釣れた釣れなかったはある意味どうでもいいと思ってます.
相手は「自然」です.昨日,10kgのカンパチが釣れたポイントは今日も釣れるとは限りません.反対に,昨日釣れなかったポイントで思わぬヒットがあるかもしれない.
それが釣り(特にジギング)だと思います.

釣果を安定させるということはなかなかに難しいことです.
一回釣れなかったからといってその遊漁船がダメな遊漁船かどうか,判断するには足りないと思います.
また,逆もしかりで,一回,二回のって釣れたから良い遊漁船だ!というわけにもならないと個人的には思ってます.

ということで,最優の遊漁船を選ぶポイント?を自分が船長になたつもりで,自分なりに考えてみたので,あくまで参考いただければ幸いです.

どのような遊漁船が最優なのかは人によって変わってくると思いますので,しつこいようですが,あくまで私にとっての基準であると思って下さい.

また,遊漁船は乗らなければ真価がわからないと思うので,乗ったことない遊漁船を前評判やネットの噂だけでダメと決めつけるのはよくないことだと思います.

一回釣れなかったからと言って避難するのはよくないと申し上げましたが, 一応,遊漁船というのは「職業」ですから,遊漁船の船長とは「魚を釣り人に釣らせるプロフェッショナルでなければならない」と私は考えています.

このブログをご覧頂いている方のほとんどはお仕事をされていると思いますが,やっぱり,なんの仕事でもプロフェッショナルであれ.と個人的には思ってます.

ということで,最優の遊漁船を選ぶ=自分なりのプロフェッショナルの基準を満たしているか?ということになると思います.

お客様は神様だ!なんて私は思いませんが,すくなくともアングラーは遊漁船を選ぶ権利は我々アングラーにあるということは分かっておくべきで,飲食店なんかと同じで,自分が決めてその店を選ぶのだから,選ぶ側としていいものを見極める眼を持っておきたいと思っています.
とはいえ,選びたい遊漁船が無くなってしまうという未来は避けたいものです.
鹿児島には以下に書くような私にとっての最優の遊漁船は少ないですが,乗りたい船があるだけありがたいと思います.

ということで,前置きが長くなりましたが,書いていきたいと思います.

ちなみに,本記事は筆者の勝手な基準によるもので,地域色もあるかと思いますため,あまり真に受けないで下さい.

1.独自にポイント開拓をしている

これは大きなポイントです.プロフェッショナルとは常に現状に満足しないものだと思ってます.
ジギング船歴が20年を超えるようなベテランでも未だに新規開拓をやっている船があります.
いくら海は広いと言えど,船は港につながれていて,動ける範囲が決まっています.
有限です.有限とは言え,とてもとてもポイントを開拓するには長い年月がかかります.
それに数少ない決まったポイントだけでは状況が難しい時にローテーションが効きませんし,根魚のような瀬に居つく魚は釣り尽くしてしまったら瀬が枯れてしまいます.ポイントは多いに越したことはないのです.
ポイント開拓には船を動かすだけで経費がかかります.なので,船長一人で遠くまでポイント開拓に行ってる船はかなり少ないです. ですが,間違いなくそういう船は居ます.
 そして,そういう船は「一流」だと思います.ポイントを適切に開拓するにはやる気以外にも自分の釣りのスキル,計器類を見るスキル,潮を読むスキル,色んなスキルが有ると思います.お客さんが開拓しましょうと言えば開拓してくれる船はいわば「1.2流」(二流とはまで言いません),ポイント開拓を自分でしないとか,仲良くもない他の船に近寄っていったりする船は「三流以下」だと私は思います.悪質な船はスパイを有名な船に送り込んでポイントの情報を盗んでいったりします.鹿児島にもそういう船居ます.

ポイントを盗んでいる釣り人の顔まで分かってます.
ま,私は具体的なことはなにも言いませんが,バレてますよ気をつけて下さい.
もし,自分の乗っている遊漁船が,とくに仲の良い遊漁船同士とかでない限り,理由なく,他の船に近づいていったときは「三流以下の船」と思ってOKだと私は思ってますので,あまり良くわからない初心者の方で三流以下の船にノリたくないと思われる方は参考にして下さい.

2.ランガンする

三流以下の遊漁船は一箇所のポイントを1日中打つ傾向にあります.
ある程度の大きさのポイントでどこに魚が集まっているか不明の場合は数流し,多くて5流し〜6流しぐらいまではすることがあると思いますが,基本的に1つのポイントで粘るということをジギングの場合やりません.
理由は,魚がスレること,根魚などの枯渇に対する配慮です.
カンパチなんかは1流し〜3流しぐらいで結構早くスレます.なので,基本的にその瀬についているカンパチは新しい群れが回遊してくるまで釣れなくなります.
また,根魚はピンポイントの釣りになるので,流し返しても居れば食うことも多いです.
よく当たるからといって何回も同じポイントを流し返すと,本当にその瀬の根魚が枯渇します.
そうやって枯れた瀬は鹿児島でもいくつも存在します.
良識ある漁師さんや遊漁船はそのあたり分かっていますので,基本的には一日の間ポイントをいくつも変えて船を流します.
一箇所をずーっと探っている船に乗ってしまったら,「三流以下の船」に乗ってしまったと思っていいと個人的には思います.

基本的に上記の2点をやる遊漁船というだけでもかなり絞られてくると思います.

もう少し続きます.


3.根拠を持った流し,適切流し方ができる

一般の方は遊漁船の船長っていうのは船長やってるぐらいだから海に詳しいプロフェッショナルだ.と思っている人も多いかもしれません.私はそうは思いません.
もちろん,その船の安全を管理する責任者としてどんな船長にでも払うべき敬意はあります.
しかし,魚を釣らせるということに関していえば,全然ダメダメな船長は実際に見てきましたし,他にもたくさん居ると思ってます.
魚を釣らせる船長はポイントの選択にしっかりした根拠を持っています.もしくは長年の実績から得られる経験を持っています.

ひたすら,「ただなんとなく,ここから船を流してみたら釣れるかもしれない 」
なんて漫然と釣りをさせている船長.はっきりいって三流だと思います.

もちろん,一流の船長は考えが凝り固まることを避けるために,たまに思いもよらない場所を流したりします.しかし,それはあくまで確認や開拓といった意味合いが強く,ただ漫然と適当に流している船とはレベルが違います.

ショアからの釣りでもそうですが,やはり魚のいる場所というのは決まっています.
決まっているからこそ,魚のいる場所に船を持っていかないとなかなか釣れないと思います.
Lowrance魚探の創業者は99%の魚は1%の水に集まると言いました.
まさにその通りで,海の状況に応じて根拠を持ってポイントを選択できる船長というのがやはり一流だと私は思います.

あとは,適切な流しです.
これもできない船長は多いです.
昔,船の流し方3種類についての記事を書きました.

ドテラ流し,スパンカーの流し釣り,パラシュートアンカー,シーアンカー釣りについてです.
https://kimamanitsuri.blogspot.jp/2015/12/vs-vs.html

私の現在のホーム鹿児島は,水深が深いポイントもあり,さらには南の方に黒潮もあり,いろんなファクターが重なって,複雑な潮流を生みます.
これは横方向だけではなく,海の縦方向にも同じことが起こっていて,いわゆる2枚潮,3枚潮といって層ごとに流れの変わります.

そうした状態で適切にポイントにジグを届けられる船長は本当に少ないです.
究極的な話をすれば,ちゃんとジグがポイントに入ってるかなんて確かめようは無いのですが,それはレベルが高い人の話であって,そういう議論すらできないレベルの船は居ます.

スパンカーをつけてスパンカーを張っているからスパンカー釣りではないんです.

ラインを立てることが絶対正義だとは思いませんが,ラインを立てきれない船長は本当に多いです.船の性能以前にです.
二枚潮,三枚潮ではスパンカーを張って,船を風に立てて,微速前進を入れるだけではラインは立ちません.このことを理解していない船長すら居ます.

個人的には,船の流し方で一番難しいのは二枚潮,三枚潮でラインをしっかり立てることだと思います.そういう,一番難易度の高いスキルを持っていれば,状況に応じてラインを斜めにしたり,あるいはドテラ流しやシーアンカー釣りなど,自在な釣り方ができると思ってます.


4.最低限の計器類を備えていて,ちゃんと使えている

個人的には,よっぽど自然を読むことに長けている船長でないかぎり,計器類をつかって魚を探していくという作業がちゃんと魚を釣らせるには必要なことだと思っています.

また,魚を釣らせる気のある船長は計器が大事であることは分かっていると思います.
なので,ちゃんと計器を使えるかどうかというのは大事だと個人的には思ってます.

また,魚探についても,そこに映し出されている情報をきちんと読み取れる船長は案外少ないと思ってます.
サーモクラインをベイトと混同している船長や,プランクトンのノイズを魚群と思っている船長も居ます.
なかなか魚探を見ない方にはそれらの判別は難しいのかもしれませんが,そういう魚探の見方もわからない船長の船には乗りたいとは思いません.


とまぁ,こんな感じであると思います.
基本的にこの4点が出来ている船長で人格的に問題がある船長と言うのはまず居ないと思うので,やる気があるとか,ちゃんとお客さんの事を考えているとか,安全面に配慮しているとかそういう一番の基礎の部分は省きました.

で,最後に,ここまで色々書いてきたのですが,いい遊漁船に乗ることだけが上達の近道というわけでもないと思ってます.
色んな船に乗ってみて,色んな経験を積むということもアングラーとして腕を磨く一つの方法かなと思いますので,色々考えずに,乗りたい船に乗るというのも大事かもしれません.

でわ.

---スポンサーリンク---

---スポンサーリンク---


0 件のコメント:

コメントを投稿